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分析の方法
このサイトの数字は、すべて政府の登記データ(成約価格)から作っています。不動産サイトの売り出し価格は使っていません。このページでは、コラムやエリア・プロジェクトのページに出てくる指標が何を測っていて、どこに限界があるかをまとめます。
更新日: 2026-10-19
1. データの出どころ · 2. 価格の測り方(中央値と構成補正の価格指数) · 3. 分譲(デベロッパー販売)と転売の分け方 · 3-1. この目安を使っているところ · 4. ストレス指数(0〜100) · 5. 市況の局面 · 6. 割安売却(ディストレス)の判定 · 6-1. 割安売却から除いているもの · 7. 利回り・オフプランの上乗せ・取引量 · 8. 限界と注意
1. データの出どころ
- ドバイの売買: Dubai Land Department(DLD)のオープンデータ。2025年以前は Dubai Real Estate Data による再配布版(CC BY 4.0)、2026年以降は DLD から毎日取得しています。
- ドバイの家賃: Ejari(DLD の賃貸契約登録)の契約単位のデータ。
- ドバイの供給: DLD のプロジェクト登録簿(完成予定日・工事の進捗・戸数)。
- アブダビの売買: Abu Dhabi Real Estate Centre(ADREC)の公開ダッシュボードの取引単位のデータ(2019年から)。分譲(primary)と転売(secondary)、裁判所命令による売却が区別されています。
- アブダビの家賃: ADREC が公表する平均家賃(契約単位のデータは公開されていません)。
- 金利などのマクロ指標: EIBOR(UAE の銀行間金利)、米国の金利・物価、原油価格など(FRED、NY 連銀、米財務省ほか)。
- 対象は住宅(マンション・ヴィラ)の売買だけです。土地・建物一括・商業用は除きます。分析は毎日 UTC 4時(UAE 時間 8時)に更新します。個々の取引は公開せず、集計値だけを出しています。
2. 価格の測り方(中央値と構成補正の価格指数)
エリアの「単価の中央値」は、何が売れたかで大きく動きます。高い新築が多く売れた月は、既存の住戸が値上がりしていなくても中央値が上がります。たとえばアブダビ全体の中央値は 2026年3月に前年比 +32% でしたが、同じ物件どうしで比べると +11〜14% でした。
そのため、値動きは構成補正の価格指数で見ています。取引を「同じプロジェクト・同じ種類(マンション/ヴィラ)・同じ寝室数・同じ販売区分」のグループに分け、グループの価格水準の違いを取り除いたうえで、月ごとの変化だけを取り出します。新しいプロジェクトの販売開始や、売れる物件の構成の変化では動かず、同じ種類の住戸の価格が変わったときだけ動きます。
3ヶ月比は直近3ヶ月と前の3ヶ月、前年比は直近3ヶ月と前年の同じ3ヶ月の比較です。指数に使える取引が半分に満たないエリアでは、中央値で代用し、その旨を表示します。
3. 分譲(デベロッパー販売)と転売の分け方
デベロッパーの分譲価格には、分割払いプランや販促の条件が含まれます。完成直後には、その分譲契約の価格が引渡しとともに登記されることがあり、相場とは違う水準の価格がまとまって出てきます。転売の相場を見るときは、これを分けて考える必要があります。
アブダビの登記には分譲と転売の区別があります。ドバイのオフプラン(完成前)の登記にはこの区別がなく、デベロッパーの販売と投資家の転売が混ざっています。
そこで、価格が AED 5,000 の倍数かどうかを目安として使っています。人どうしの売買では「AED 1,250,000」のような切りのよい価格で合意することが多く、デベロッパーの価格表は面積×単価で端数が出るためです。
| 区分 | 価格が AED 5,000 の倍数の割合 |
|---|---|
| アブダビ 転売(secondary) | 67% |
| アブダビ 分譲(primary) | 15% |
| ドバイ 完成済み(Ready) | 75% |
| ドバイ オフプラン | 22% |
3-1. この目安を使っているところ
- プロジェクトページの「転売の相場(直近6ヶ月)」とグラフの転売の線: 切りのよい価格の取引だけで計算します。
- アブダビのプロジェクトの前年比: 転売どうし(なければ分譲どうし)の切りのよい価格で比べます。比較する2つの期間で分譲の割合が大きく違うときは、数字を出しません(引渡しの時期に値上がりや値下がりに見えるのを防ぐため)。
- アブダビの価格指数: 端数のある転売の価格は、分譲契約の登記の可能性があるため使いません。分譲と転売は別のグループとして扱います。
- 割安売却(ディストレス)の判定: 相場より安いかどうかは、市場での転売とみられる取引(アブダビは転売で切りのよい価格、ドバイは切りのよい価格)だけで判定します。
- これは目安で、切りのよい価格の分譲や、端数のある転売もあります。個々の取引の区分を確定するものではありません。
4. ストレス指数(0〜100)
エリアの市場にどれだけ圧力がかかっているかを 0〜100 で表します。50 が平常で、高いほど値下がりや売り急ぎが起きやすい状態です。次の要素をそれぞれ 0〜1 に換算し、重みを付けて合計します。データがない要素の重みは、ほかの要素に配分します。
| 要素 | 内容 | 重み |
|---|---|---|
| 価格の勢い | 3ヶ月比と前年比の下落 | 26% |
| 取引量の急減 | 売買件数の前年比と、過去12ヶ月と比べた落ち込み | 18% |
| 割安売却の割合 | 直近3ヶ月の売買のうち、ディストレスと判定した割合 | 14% |
| オフプランへの依存 | 売買に占めるオフプランの割合(投機的な需要への依存) | 12% |
| 完成間近の供給 | 未完成の戸数が年間の売買の何年分か(ドバイのみ) | 8% |
| 金利・マクロ | EIBOR の水準と方向、米国の長期金利、物価、ドル、原油 | 8% |
| 住宅ローンの多さ | ローン利用の割合(金利の環境が厳しいほど強く効く) | 6% |
| 売り出し価格との差 | 売り出し価格が成約を下回っているか(現在はデータがなく使っていません) | 8% |
- 直近3ヶ月の売買が少ないエリアは、偶然の影響を受けやすいため、スコアを 50 に近づけて表示します(150件で補正なし)。
5. 市況の局面
ストレス指数と価格・取引量の動きから、エリアを6つの局面に分けます。週ごとに判定が行き来しないよう、いったん入った局面からは少し緩い基準で判定します。
| 局面 | おもな条件 |
|---|---|
| 過熱 | 価格が前年比 +15% 超、取引量も増加、ストレスが低い |
| 安定 | ほかのどれにも当てはまらない |
| 減速 | ストレス 42 以上、または 3ヶ月で 1% 超下落し前年比の伸びが 5% 未満 |
| 調整 | 3ヶ月で 3% 超下落しストレス 55 以上、5% 超下落しストレス 45 以上、または前年比 −3% 以下で下落が続いている |
| 投げ売り | ストレス 70 以上、割安売却が 10% 以上で 3ヶ月で 3% 超下落しストレス 50 以上、または前年比 −8% 以下かつ取引量が前年比 −35% 以下で価格が戻っていない(後の2つは直近3ヶ月の売買 30件以上のエリアのみ) |
| 回復 | 調整・投げ売りの後に、3ヶ月比で +1% 超の上昇 |
- 「投げ売り」は底値圏の候補という意味で、底を保証するものではありません。ドバイの過去の登記で試すと、2011年と2020年の底で同じ判定が出ましたが、長い下落では底の1〜2年前から出ることもありました。
- 判定の基準は、アブダビ 2020〜2026年とドバイ 2008〜2019年の過去データで調整しています。
6. 割安売却(ディストレス)の判定
直近3ヶ月の住宅の売買のうち、次のどれかに当てはまるものを「割安売却」として数えます。
- 相場より大きく安い: 同じプロジェクト(足りなければ同じエリア)・同じ種類・同じ寝室数の過去6ヶ月の単価の中央値より 15% 以上安く、ばらつきの範囲も下回る取引。市場全体の値動きの分は補正します。
- 分譲価格割れの転売: オフプランの住戸が、同じプロジェクト・同じ寝室数の販売開始当初の価格より 10% 以上安く転売されたもの。登録料 4% と仲介料を考えると、最初の買い手は損をしています。
- 新築価格割れの転売(アブダビ): 転売が、同じプロジェクトの最近の分譲価格より 20% 以上安いもの(相場比でも安い場合は 10% 以上)。
- 裁判所命令による売却(アブダビ): 登記で裁判所命令と記録されたもの。
- 12ヶ月以内の損切り: ほかの理由で判定された取引のうち、同じ棟・同じ間取り・同じ面積の住戸が 12ヶ月以内に前回より安く売り直されたもの(住戸を特定する番号が公開されていないため、補足の扱いです)。
6-1. 割安売却から除いているもの
- 比較対象より 60% を超えて安い取引: 持分の一部の移転や関係者間の取引など、市場価格ではないとみなします。
- 一括売却: 同じプロジェクトの 3戸以上が、同じ日に同じ㎡単価で、2種類以上の広さにまたがって登記されたもの(ファンドや再販業者への一括販売とみなします)。
- デベロッパーの値下げ: ドバイで、あるプロジェクト・間取りのその月の販売の過半が当初価格より 10% 以上安いときは、デベロッパーが新しい販売分を値下げしたとみなし、分譲価格割れの判定を止めます。
- もともと安いプロジェクト: エリアの相場と比べたときに安くても、そのプロジェクト自体の価格水準どおりの取引は数えません。
7. 利回り・オフプランの上乗せ・取引量
- 表面利回り: ㎡あたりの年間家賃 ÷ ㎡あたりの売買価格(同じエリア)。ランキングの広さ別の利回りは、同じ広さの帯どうしで計算します。管理費・空室・諸費用は引いていません。アブダビは ADREC の平均家賃と平均価格から計算します。
- オフプランの上乗せ: 同じエリア・同じ寝室数で、オフプランの単価が完成済みの単価より何%高いか(直近12ヶ月)。新しい建物や支払いプランの条件も含むので、「同じ部屋の完成前と完成後の差」ではありません。
- 取引量: 登記された売買の件数。登記は月末にかけて遅れて入るため、月の 25日より前は前の月までを「直近の月」として扱います。
8. 限界と注意
- 登記価格は成約価格で、売り出し価格(不動産サイトの掲載価格)とは違います。人気の物件では売り出し価格のほうが高いことがよくあります。
- 住戸を特定する番号は公開されていないため、同じ住戸の売り直しを確実に追うことはできません。
- 階数・眺望・内装の違いはデータにないため、同じプロジェクト・同じ間取りでも価格の差として残ります。
- データ元の名称(地区名・プロジェクト名)の表記ゆれは変換表で統一していますが、漏れがあることがあります。
- このサイトの数字は情報の提供が目的で、投資の助言ではありません。
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出典: Dubai Land Department(DLD Open Data。2025年以前のドバイ売買は Dubai Real Estate Data による DLD オープンデータの再配布版、CC BY 4.0)、Abu Dhabi Real Estate Centre、FRED・NY連銀・米財務省ほか。投資判断の参考情報であり、助言ではありません。分析の方法